花鳥風月記

流れる水に文字を書く

チューリヒ美術館展

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乃木坂の国立新美術館にて。
印象派からシュルレアリスムまでの
近代芸術を一望できるという企画展。

一つの美術館を中心にこういったことができるのは
なかなかスゴイことなのだろう。

モネの晩年の大作「睡蓮の池、夕暮れ」は、幅6メートルの大作。
睡蓮のざわめきと、中央を区切る水面の夕暮を映し出す様子が、
絵画の表面から意識の深い所へと誘うような感じがした。

ゴッホの絵も、太陽が照りつける白い壁をマチエールで見事に表現している。

ダリの絵は、小さいといつも思うが、その小さな画面に存在する
時空のねじれが何とも印象的だ。

一見、何気なく雑に描かれたようでいて、
良く見てみるとその情景が浮かんでくる。
しかし近代芸術は、それすら門前払いして、
それを超えるメッセージを発信しているような感じがした。

近代芸術を概観するには良かったが、
図録としてはやや物足りなさがあったか…。
それで2,400円も高いと判断して買わなかった。