花鳥風月記

流れる水に文字を書く

日本国憲法百景・再び (96)

一体を成す


フランスの新聞での風刺画がきっかけで、新聞社が襲われ、死者がでた。
それを受けて、フランス国内では、370万人もの人々が反テロに対しての
デモを行った。

各国の首脳も駆けつけ、イスラエルパレスチナという、相対する指導者も
立場を超えてその列に加わった。
もっとも政治首脳たちの列は、警備の都合上、撮影用に設(しつら)えたものらしい。
それでも「反テロ」のメッセージは、世界に届いた。

文化人たちも呼応する。
「私はシャルリ(新聞紙名)」というバッジをつけて、
映画俳優が、公の場に出てきた。

風刺画の内容の解釈には様々あるようで、
是非が分かれるようだ。
「非」は批判する人自ら持つ「品性」や「尊厳」にかかわるものとして
「是」(それが積極的でなくても)は、意見を自由に語る「場」として
一人ひとりに、判断を迫って来るものとなる。

是非は判断しかねるが、
是非を問わずに、むしろ問えずに
強張った空気があることは、ここにいて良く感じる。
年末のロックバンドの公演すら、唇寒しとなっている。


第九十六条 この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、
      これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。
      この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる
      投票において、その過半数の賛成を必要とする。
    2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、
      この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。