花鳥風月記

流れる水に文字を書く

スノーデン

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日本橋のTOHOシネマズにて。
コレド室町は初めて行ったが、ま、あんな感じなのだろう…。

本編が始まる前のふざけが過ぎる映像を見せられて、
まさに拷問のような時間を過ごす。
東宝シネコン?は最近調子に乗りすぎていることを
こんなところからでも伺うことができる。はあ…。

映画は2013年に話題となったスノーデン事件に迫る、
オリバー・ストーン監督の社会派ドキュメンタリー風な映画。
情報と諜報が一体となって、一般市民すら監視対象となった世界を
明確に提示し、その一端をになったスノーデンが
良心の呵責に悩み、かつ彼自身が監視の対象になることで、
内部告発をすることで世間の耳目を集めた。

舞台は内部告発を行うガーディアン誌のインタビューをメインに、
その9年くらい前からの彼の来し方を振り返っていた。
珍しくCGが積極的に使われていた。

告発がなるかどうかの緊張感と彼の過ごしてきた諜報活動の緊張感が
映画ではパラレルに存在していた。
これは劇中のストーリーなので、
もしかしたら、もっと牧歌的な雰囲気だったのかもしれない。
勿論、こうなった今ではそうではないのだろうが…。

義憤か売国か。評価は分かれるだろう。
無論、政権が変わった現在、その評価がぶれる可能性もある。
先日、朝日新聞のインタビューで、オリバー・ストーンは、
トランプ政権を良いように見ることも考えよう、と
世界秩序を押し付けるヒラリー・クリントンよりも
自国優先のトランプの方が世界秩序的には良かったのでは、
という見解を示した。
最初読んだとき、「ヒラリーよりトランプの方が良い」と
早合点したが、おそらく上記の質問をしたら、
「いや、そうではない」という答えをだすのではないだろうか。

それこそが、彼が持つ一流の韜晦(とうかい)だろう。
こういったものを持ち合わせえる人が少なくなったように思える。

スノーデンは現在、モスクワにいる。
それがどんな意味を持つのかも考えねばならないが、
彼が望むような、あるいは人類が望むような世界になるのかは、
まだ何も見えていない。
しかし、それに抗するように、最後の場面、講演会での
本人の登場と、その勇気を称える万雷の拍手が
その先を照らしているような気がした。