花鳥風月記

流れる水に文字を書く

筆致俳句 (2)

ひとやもの 打ち捨てられて 荒川へ 泥まみれの缶 萎びたエロ本


短歌になりました。
冬の景色には、寒々しいが、抜けるように高く、くっきりとした空の青と
目を下に下ろすと、ホームレスのブルーシートの青が交差する。

清々しさの反面、その無常にも思える風景が、いつの間にか定着してしまった。
「仮住まい」と言われながらも、生活の礎はわりとしっかりしていて、
中には、ニワトリやイヌ・ネコ・ウサギを飼う人もいる。
かといって、話しかけも、かけられたりもない。
お互いを守り・守られるための沈黙と没交渉

川べりは、子どもの頃から不思議の世界だった。
冒険や探検としての橋の下や欄干は未知の洞窟であり、
誰かが残していただろう、様々なモノは、その時ばかりは
なぜか「宝」に思えた。

そして今でも誰が置いたか知らないが、
「宝の山」が「秘宝館」のようになっていることもあった。
まあ、それはそれとして…。