花鳥風月記

流れる水に文字を書く

片岡義男 『ナポリへの道』

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スパゲッティ・ナポリタンが日本食であり、
けっして、イタリアはナポリの発祥ではないこと。
そこに、戦後の日本の風景が隠され、
長い年月のなか――戦後復興・バブル経済失われた十年――で
浮沈を見、そしてその中で、「日本の食」として息づく食べ物に
畏敬し、愛する、という内容。

と、上記でまとめてしまうとそれまでになってしまう。
よほど料理好きか、ナポリタン好きでないと
ややついていくには億劫かもしれない。

コラムとしてはやや冗長、
エッセイにしては希薄な感じが否めない。
やや歴史めいた内容は、本人の記憶の断面と
他著からの引用で、ナポリタンを食べ歩こうとする企画もあるやなしやであり、
買った食材も、さほど口にしていないような印象に思える。

やや、書いている人間のリアリティに乏しい感じがした。
とはいっても、読むと無性にナポリタンが食べたくなる。
自分の守備範囲でもある、神保町さぼうるやイノダコーヒーが
出ているので、せっかくだから食べてみよう。

ちなみに、洋食屋のナポリタンも食す。
浅草モンブランナポリタン。
ハンバーグが有名な店だがあえて注文。
洋食屋なので、ナポリタン特有の手抜き?がなく、
細めの麺のしっかりと熱いスパゲッティだった。
グリーンピースはなかった。
しいたけが入っていたのが、モンブランの特色か…。