花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ゴーギャン展

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竹橋の国立近代美術館にて。

昨年バルガス=リョサの『楽園への道』を読んだこともあって、興味があった。
午前中で、人間ドックが終わり、時間があったので足をのばす。

今回の展示点数は、1987年に行ったものよりも少ない、とのことだが、
最高傑作とされる「我々はどこからきたのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
の展示が日本初、とのこと。実物はかなり大きい。

平日の午後でありながら、人出も多かった。
点数は少ないかどうかは分からないが、見応えはあった。
くだんの作品のまえにはモニターでの紹介があって、
長い列になっても、相応の対応ができる工夫もされていた。

ただ、残念なのは、長蛇の列にたいする策を考えたばかりに、
近くで見ると、照明が邪魔で仕方なかった。
たしかに遠くからも見えたが、近くだと照明が反射して、
線のくっきりとしたところが見えづらかった。

この「我々はどこからきたのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」については、
人の生き死にについて描かれている、とのことでそのストーリー性が題名のとおり
三分割で説明されていた。
ただ、見方によっては屏風のような四分割でも説明がつきそうな感じもした。

また、この展示では、フランスに一時帰国した際の版画作品も展示されていたが、
自摺り、ルイ・ロワ版、ポーラ版でかなり作風が変わるものだと思った。
とくにポール版で浮き出た克明な削り跡が絵画のそれと軌を一にしているようだった。

「楽園の道」にあった絵画すべてが展示されていた訳ではなかったが、
昨年、本に挟まっていた小さなガイドをたよりに読み進めていたことを思い出し、
あの傑作の大きさに感動した。