花鳥風月記

流れる水に文字を書く

井野朋也 『新宿最後の小さなお店ベルク』

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先日、お店に行ってから気になっていた本を読破した。
単なるお店の誕生秘話、というよりも、店長が持つ哲学に
敬意すら覚える。

新宿駅改札から15秒という超一等地で、「安くかつ美味い」という
誰もが求め支持される、しかしながら継続が難しい課題を20年も応え続けている。
ルミネ(親会社JR)の退店勧告に屈せず、その味を・客を守り続ける様(さま)に、
大資本が跋扈する世の中にあえて「蟷螂の剣」を突き立てるヒロイズムを感じる。
また、飲食業のみならず、個人経営・小さな経営がいかに生き延びるかについて
非常に示唆に富む。

文字で理解したならば、更に舌でも味わうべき、と読後に再度店に行く。
ギネスビール、ベルクドック、マイスターハム&ケーゼサンド、
ラップサンド、カントリー・ブルスト(ウィンナー)、レバーハーブ・パテ、
そして季節限定ビールメルツェンを立て続けに注文。
文字で想像した以上に美味い。嘘がない。
特にベルクドックのソーセージは絶品。
他にあるような薬品臭さがなく、本当に美味い肉汁を感じた。
メルツェンビールは柑橘系?というかカムカムフルーツのような風味を感じる。
爽やかな飲み口。
確かに癖になって、常連になる人が多いのもうなずける。

いやあ、五感に感じる読書ってのも良いなあ…。