花鳥風月記

流れる水に文字を書く

皇室の名宝展 第1期

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東京国立博物館平成館にて。

富と権力の偏在が芸術を生み出す、あるいは豊かにするのだなあ、
と改めて思った。

展示は、500年近い間に皇室にて献上された美術作品の代表作を展示している。
今回の目玉?は狩野永徳の「唐獅子図屏風」や伊藤若冲動植綵絵にある。
金箔を敷き詰めた屏風に縦横無尽に描かれた唐獅子の重厚さは素晴らしかった。
また、「四季草花図屏風」の葉先のたおやかさが、とても繊細だった。
500年たってもまだ鮮やかな色彩に感銘を受ける。

伊藤若冲の作品は多く展示されていた。
「旭日鳳凰図(1755年)」の色の鮮やかさは素晴らしい。
中国の絵から鳳凰を想像して書いたといわれるが、
独特の色遣いが、往時の絢爛な画風が見事に出され、面白かった。
白鳳の白の表現も、いわゆる黄土色の繊細な使い方で「白さ」が際立つ。

白や光沢の「妙」は洋の東西を問わず、絶妙な配色が織り成すものだと感じる。

琳派酒井抱一の「花鳥十二ヶ月図」も、掛け軸の長方形の対角線を
十二分に使って伸びやかに描ききっている。

円山応挙の「旭日猛虎図」も、どこかしらネコ科のかわいらしさも残る感じや、
同じく谷文晁のものは、どことなくリアリティを感じる。

第2会場では、横山大観の「朝陽霊峰図」のスケールに圧倒された。

やはり、実際に見ると、いろいろな思いが湧くものだ、と感じた。