花鳥風月記

流れる水に文字を書く

レンピッカ展

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Bunkamuraザ・ミュージアムにて。

ポーランド・ロシアで興隆したキュービズムの時代と
フランスの社交界で浮名をはせ、ナチスから逃れ渡米、
ニューヨークで20年暮らし、パリに戻って沈滞、
晩年は、メキシコの地で没するという波乱の人生の中で
描き続けられた絵画を一斉に展示された。

先ずは、金属的というか陶器的、というか
色使いの鮮やかさに目を奪われた。
「緑の服の女」「初めて聖体を拝領する少女」「ピンクの服を着たキゼット」は
いずれも娘のキゼットを描いたものだが、緑・白・ピンク(やや白みがかった)が
時代を経た今でも色が驚くくらいに美しい。
画調は、深い緑のものが多く感じたが、白やピンクといった色調には、
肌がやや黒く描かれている。

レンピッカは、自分を写すことにも工夫をしているようで、
写真は、女優のようなものが多く展示されていた。
長い人生のなかで、画風がいろいろと変わったようだが、
死ぬまで絵筆を離さなかった、という執念が写実性を超えた
抽象性と色の鮮明さに現れているような気がした。