花鳥風月記

流れる水に文字を書く

戸谷成雄 「ミニマルバロックⅥ」

イメージ 1

イメージ 2

清澄白河のシュウゴ・アーツにて。
荒木経惟の写真展の隣にあった。

「洞穴体2010」という作品の展示。
入って4つの大きなレリーフがあり、
どれも真ん中あたりに、穴がある。

ついつい、どれも手を突っ込んでしまった。(笑)
怒られなかったけど…。

ハリボテとは違った重厚感もある。
側面から回り込むと、その穴の奥行きというか、
展開がありそうな「塊」がくっ付いていた。

紹介文には、
「森」の風景の中に潜む「穴」と人の耳の「穴」が作品を貫通し、接続されています。
風景を見ることを通してその声を聴く、つまりそこでは視聴覚が未だ同義をなしています。
レリーフと彫刻、視覚と聴覚がまだ未分化の状態を保っている“両性的なもの”にこそ
戸谷は可能性を見出しているのです。
とあった。

ふと、港千尋が2005年ごろに出した本『影絵の戦い』を思い出した。
戸谷の想う、その世界は、もしかしたら産道ではないか。
それが人間としての原初の記憶であることを、確か港は書いていた。

私見だが、それが原初・原始回帰=生命への探究に
作品群が連なっていくような印象を持った。