花鳥風月記

流れる水に文字を書く

山種美術館 浮世絵入門―広重≪東海道五十三次≫一挙公開―

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広尾の山種美術館にて。
初めて行ったが、駅から少し離れつつも、落ち着いた場所にある。
地下に展示場があるので、どことなくひっそりと佇んでいる感じ。
地下入口の自動ドアの重厚さが、どことなく「ウルトラ警備隊」のような感じだった。(笑)

以前、山形で「富嶽三十六景」と「富嶽百景」を一気に観て感動したことがある。
今回も「東海道五十三次」を一気に観られるというのが魅力だった。

山種美術館所蔵の保永堂版初摺りで、保存状態も良い。
日本橋の空の色遣いや、小田原・箱根といった岩山の色彩豊かな光景、
現実にはありえないが、雪の蒲原、そして代表的な一枚とされる庄野の白雨。
全てが間近で観られ、感動的だった。

日本画を専門としたその特長を大いに活かした企画だと思った。
週末土曜日ということもあり、人出が多かったので、
観終わるまで、時間がかかった。
平日、人が少ないときにじっくりと観るべきだったか…。
また、全て壁掛け展示なら見やすかったが、
ガラスケース・テーブルでの展示が混じり、観づらいのもあった。
それがかえって、行列の流れを悪くしているような感じがした。
カラスケースでは、指紋・顔の脂が付着し、ちょっと残念。
行列の並び方云々を何度も声掛けするだけではなく、
こまめにアルコールでガラス面も拭いて欲しかった。

それ以外の、喜多川歌麿東洲斎写楽・歌川豊国・葛飾北斎といった
浮世絵の展示もあった。時代を超えて何か伝わるものを感じつつ、
更に広重の「近江八景」の絵があった。
こちらはどちらかというとやや暗めな(夕暮れ?)画風だった。

また、別展示で、近代絵画もあった。
上村松園伊東深水は、竹橋の近代美術館でも観た記憶があるが、
それよりも間近に観られた。
絹の上に彩られた女性画は、きめ細かい肌のようで艶やかだった。