花鳥風月記

流れる水に文字を書く

岡本太郎展

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竹橋の東京国立近代美術館にて。
今年生誕100周年とあって、注目されている。

日曜日ということもあり、混雑と子供の叫び声を
ある程度、覚悟しなければならなかった。
比較的遅めに(3時半くらい)に行ったが、
それでも入場15分待ち。ま、許容範囲か…。

会場はプロローグ、エピローグ、そして7つの章に分かれていた。
ここでは、その講釈は抜きにして、印象だけを記したい。

プロローグは「ノン」
個性的な像が並ぶ。FRP製で作られた晩年に近い作品群。
見ていて楽しい。
それはきっと子どもの心に立ち返ったような感覚を覚えるからか。

第1章「ピカソとの対決」
今から70年以上の前の絵、というのに色の鮮やかさが衰えない。
また、「傷ましき腕」では、写実的なものと抽象的なものが混ざり合う
まさに過渡期の作品に思えた。

第2章「『きれい』な芸術との対決」
「重工業」が見れなかったのは残念だが、
ここでは、「夜」「駄々っ子」「作家」など、面白い作品が並ぶ。
絵の中のメッセージがかなり直截的に思えた。
美女と野獣」は女性のデフォルメと野獣がネコのようであったため、
美女が野獣」に思えた。

第3章「『わび・さび』との対決」
ここでは写真がメインだったので、皆足早に映っていった。
写真の角度、明るさにこだわった労作が観られて良かったと思うのだが…。

第4章「『人類の進歩と調和』の対決」
大阪万博という国際的な場、それはある意味で大国の誇示ということに対する
岡本の反骨心が感じられた。
太陽の塔、見に行きたいなあ、と思った。

第5章「戦争との対決」
ここでは、戦時中に一兵卒として駆り出された記憶と、
ベトナム戦争への反戦の2つがメイン。
「殺すな」の新聞広告は、なで斬りの刀の軌跡のようで、
見る人間を斬りつける。

第6章「消費社会との対決」
パブリックアートとして、様々な商品のデザインが並ぶ。
その大衆性がきっと、後々の「愛され方」になったのだろうな…。

第7章「岡本太郎との対決」
四方を「眼」をモチーフとした絵がひしめき合う。
まるで「岡本太郎ルーム」のような感じ。
「坐ることを拒否する椅子」に座ってみる。
白は確かに座りにくかったが、赤と緑はさほどでもなかった。

エピローグ「受け継がれる岡本太郎の精神」
ここでは、秘書で養女となった岡本敏子の原稿と
岡本太郎の推敲の形跡が残っていた。
名言が壁に書かれていた。
出口に三角くじのようなものを取り、
そこには岡本の著作からのメッセージがあった。
けっこう心にしみる。

以前のゴーギャン展でも感じたが、
この美術館の照明は、工夫の必要ありだが、
今回は、今までにない、楽しい展示会だった。