花鳥風月記

流れる水に文字を書く

五百羅漢 特別展

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両国の江戸東京博物館にて。

増上寺に秘蔵の狩野一信の仏画100幅を一挙に公開という。
また成田山新勝寺や、東京国立博物館所蔵の絵画や直筆日記など、
狩野一信の実体に迫る展示もあった。入場料1,300円。

最終日で、日曜日とあって、人の入りは多かった。
江戸東京博物館は初めてだったと思う。
大きな建物に展示室やホールがいくつかあり、
ショッピングできる場所もある。
いまひとつピンとこない構成だが、
修学旅行のコースとしては良いのだろう。
場所柄か、下町風な感じの人や、子供も多かった。

絵の解説は、なんと大滝秀治だという。
いつもなら決して使うことのない音声ガイドだが、
気になって使ってみた。500円。
しかし、主だった解説は、女性アナウンサーらしき人で、
大滝秀治は、「501人目の羅漢になって」演じていた(苦笑)。
確かに第5幅の「名相」にそっくりな人がいた。

幕末だから、今から150くらい前。
その絵の色彩は鮮やかでかつ繊細なものだった。
羅漢とは釈迦の弟子を指す。取り巻く後光の感じが印象的。
普段の生活や、その超人的な存在を知らしめる内容となっていた。
また、「羅漢ビーム」というような必殺技も持っている。
かつて少年が憧れたスペシウム光線は、幕末には存在していたことになる。
結構、強烈なビームもあり、顔が移った鏡から全方位に飛んでいるのもある。

狩野一信は、100幅の羅漢図を仕上げることに人生を賭けたが、
96幅あたりで力尽き、妻や弟子によって最後が描かれた。
しかし、最後の絵は、明らかに別人のような構成や画風(絵の勢い)だった。
日本画の活力というか底力を感じた展示だった。