花鳥風月記

流れる水に文字を書く

ワシントン・ナショナル・ギャラリー展

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乃木坂の国立新美術館にて。
霧雨が降るか降らないかの天候。
美術館は、館外に傘置きがあり、中を通る場合は、
乾いていても傘袋を使うようで、徹底していた。

ワシントン・ナショナル・ギャラリーは、
一財を成したメロンさんという人が作った美術館で、
展示物は、すべて市民が国に寄贈したものからなる稀有な美術館とのこと。
寄贈されても、展示の有無には厳しい基準があるようだ。
果たして、一般市民がそのようなものを持っていて、寄贈までできるのか…。
あ、アメリカらしいといえばそうなるが…。
ちなみにワシントン・ナショナル・ギャラリーの紹介ビデオでは、
入館者が写真をバチバチ撮っていた。海外ではそれが普通なのか。
なぜ日本ではダメなのだろう…。

展示は印象派とポスト印象派の作品を展示していた。
マネ・モネ・ドガゴッホセザンヌといった
絵画の歴史にも太字で残るような作品を一気に観ることができた。
印象派といっても、作風には、大きな変遷が見られ、
細やかな線から、輪郭がだんだんとぼやけてくる。
しかしながら、全体を見ると実に細やかな絵画に仕上がっているのが
不思議でならない。

印象的だったのは、マネの「プラム酒」。
シャツの白とカーディガンの薄いピンクの色彩の妙が良い。
人肌は酒が入って、どちらかというとカーディガンに近くなる。
いや、見たときに白からピンクに変わったような錯覚も覚えた。
メアリー・カサットの「浜辺で遊ぶ子どもたち」は、
やや粗目の筆遣いの中に、金髪のしなやかさと
子どもの頬の艶やかさが見事に描かれていた。

絵画がずらりと並ぶ会場の長椅子にすわって
ぼんやりと見渡す。
結構至福な時間でもあった。