花鳥風月記

流れる水に文字を書く

モダン・アート、アメリカン ―珠玉のフィリップス・コレクション―

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乃木坂の国立新美術館にて。
アメリカの美術の歴史に全く疎く、
知っているのは、せいぜいポロックの絵くらいだったので、
観に行くことにした。

入館料1,500円は結果からいえば、やや高い。
ましてや、カタログが2,200円は論外と思い購入せず。

よって、見たままの印象記になる。

アメリカの芸術は、当初はやはりヨーロッパの影響を色濃く受けて、
ロマン派、印象派など、本家からみるとやや大味な印象を受けた。
ただ、近代化に入る初期の頃は、それに抗うかのように、
大自然を描いた、というところに芸術家の矜恃を感じた。

そして、今度は逆に日常生活を描くことが主流になった時に、
その日常が、ぼんやりとした景色のなかで、じつに血の通った画風になっている。

エドワード・ホッパーの「日曜日」などは、
きっとどこにでもある日常を切り取りつつも、
脳裏に焼き付けられたイメージを体現している印象を持った。

ただ、現代のアートについては、やはり分かりにくかった。
なかなか同時代性の基軸がつかみにくいからだろうか。
残念なことにポロックの絵は1枚のみで、その変遷を知る由もなかった。
年明けには、ポロックの展示会もあるようなので、そちらに期待したい。