花鳥風月記

流れる水に文字を書く

メタボリズムの未来都市展

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六本木ヒルズ森美術館にて。
国立新美術館の半券提示で200円引きになる。

メタボリズムとは生物学的用語で「新陳代謝」という意味。
単なる「拡大」や「増殖」ではなく、古いものから新しいものへ、
または新しい機能が付加される、そんな都市デザインの方向性を目指した
軌跡を展示している。

丹下健三大高正人川添登菊竹清訓槇文彦
粟津潔栄久庵憲司磯崎新黒川紀章といった、
錚々たる建築家・デザイナーがメタボリズムの文脈の中で
鎬を削った。

その独創性は、その模型が1961年、つまりは半世紀前、ということに驚嘆する。
現代は、その構想をCGで見ることができる。
それは、アニメの中での建物をイメージさせるが、
言うまでもなく、アニメの世界が、彼らを模倣した、ということだ。

ただ、木製で作られた模型とは裏腹に、
CG作品は、圧倒的というか威圧的で、恐ろしくも感じた。
恐らくは、先達が意識していたような、自然との共生が
0と1の世界ではまだまだ入りにくいのかもしれない。

京都の国際会議場の建物の面白さに、今度観に行きたい、と思った。
また、以前、博多駅前の西日本シティ銀行本店の建物の異形な感じに
興味があったが、これもメタボリズムの一環であったようだ。

大阪のエキスポタワーの解体は、連続写真のスライドショーになっていたが、
充分にアートだった。

記録的な意味で、プログラムが欲しい、と思ったが、予想外の4,800円。アウト。
ま、デザインやる人間なら買うんだろうなあ…。