花鳥風月記

流れる水に文字を書く

大エルミタージュ美術館展 世紀の顏・西欧絵画の400年

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乃木坂の国立新美術館にて。

ロシアのエルミタージュ美術館には、所蔵品300万点を誇り、
展示場も約1,000室あるらしい。
帝政ロシアの栄華とロシアの大富豪の繁栄の記憶と記録がそこにある。

今回は、16世紀から現代までの西欧絵画の変遷を以下の区分で分けている。
Ⅰ「ルネサンス」壁の色:赤
Ⅱ「バロック」壁の色:茶
Ⅲ「ロココ」壁の色:水
Ⅳ「ロマン派~ポスト印象派」壁の色:グレー
Ⅴ「フォーヴィスムキュビスム」壁の色:白
不思議なことに、絵画と壁の色がマッチしている。
まるで、当時の時代の色を象徴しているかのような感じにも思えた。

塑像に近いような肌の感覚を絵画が印象的なルネサンス期の絵から、
写実的な描写になり、風景画の世界から、線や色の持つ意味に深みが生じ、
やがて観念や感性が先行してゆく現代に向かう軌跡が伺えた。
美術史なるものを十分に分かっていないのだが、
それぞれの時代に印象的な作品が並び、見ごたえがあった。

特に、バルトロメオ・スケドーニの「風景の中のクピド」
ピエール・ナルシス・ゲラン「モルフェウスとイリス」に
眼を奪われた。

クピドの顏がどことなく大人びて、というか、視線がクッキリとしていて
それでいて子供のようなぷっくりとしたお腹を持っている。
また、夢神とされるモルフェウスとイリスの白く透明な肌の質感、
そして絵の大きさにびっくりした。

展示点数こそ89点だが、2時間くらい観ていた。
それだけ、内容が濃かった。