花鳥風月記

流れる水に文字を書く

20世紀の巨匠たち@大丸ミュージアム

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新しくなった大丸(百貨店はもうつかない)東京店の10階で開催。
「百貨店」を外したこともあり、1階ごとの床面積は狭い。
また、紳士・婦人服など、完全に対象を特化している。
そこの展示、ということだから、ある程度の対象の絞込みもあろう。

今回の企画店は、写真の世界の巨匠14名による、120点の展示。
カタログもなく、「ミュージアム」というより「ギャラリー」だった。
それでも、日本国内に所蔵してある写真を良く集めた、と思って良い。
勿論、欲を言えば、もっと作品を展示してほしいが、
所要時間を1時間弱とみれば適切か。

特に関心があったのが、「写真の詩人」アンセル=アダムス。
やはり、どの写真家よりも、モノクロの濃淡やコントラスト
そして諧調(グラデーション)が鮮やかだった。
写真は殆どモノクロだったが、写真の本質に迫るには、
やはり白と黒の表現が印象に強い。
マン=レイのソラリゼーションなどは、暗転して、
肉体の細やかなラインも光(白)として浮き立たせている。

写真に関心のある人には、入門編として最適だろう。

大丸ミュージアムで難点を挙げるなら、
10階の売り場の一部でしかない、というところ。
いわゆるブランドや宝飾品売り場のなかを通って
入場しなければならない。女子に眼の毒。
男子は一人で利用したほうがいいかもしれない。

なんかブランドや宝飾品と一緒に芸術品をみるのも
「品格」としていかがなものか。
それとも、芸術品もデパートとしては売り場の一つ、
という捕らえ方なのだろうか。

こはちょっとさみしい。