花鳥風月記

流れる水に文字を書く

天皇と軍隊

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ポレポレ東中野にて。
ずいぶんと久しぶりに行く。

日本人が撮ったフランス映画、
つまりはフランスに在住する日本人が撮影したドキュメンタリー。
2009年の作品で、パンフレットは2015年用に再編集されていた。

戦後を語るうえで、日本国憲法天皇制・軍隊をいかにとらえるべきか。
様々な人の証言をもとに構成されている。
撮影時は、実際には今から7年前(2008年)と考えると、
時間は結構経つものだな、と感じた。

戦後の枠組みを考える際に、
天皇制がなぜ維持されたか
日本国憲法はどうやって生まれたか
自衛隊はそういった経緯で創設されたか
そこをおさえたうえで、戦後日本の形が見えてくる。

つまり、昨今の改憲だの集団的自衛権だのの論議を見ると、
上記3つのうち一つだけを変える、というのは無理があるということになる。

そういった意味では、
日本国憲法を廃し自主制定憲法を論じ、
日本軍の創設を主張する人たちは
天皇制の廃止も同時に主張する必要性が生じる。

1978年に戦犯が靖国神社に合祀されてから、
天皇の参拝が一度もなくなったのは、
決して感情だけの問題ではなかろう。
そして今年、ペリリュー島へいったのも、
「戦後」というものがいまだに存在しているからであろう。

歴史的なものは、偶然ではなく、必然として存在する。
この映画では、そこが描かれている。