花鳥風月記

流れる水に文字を書く

荒木経惟 「古希ノ写真」

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清澄白河のタカ・イシイギャラリーにて。
久々に行く。相変わらず風が強い。
古い倉庫のビルを改装してできたギャラリーで、
入口近くでないと、それがそうであることが分からない。
普通のとはお勝手の違うエレベーターで5階へ行く。

今回は、愛猫チロの死が大きく影響している、とのこと。
ぴあの紹介では、
愛する者の死、喪失感、そこから生まれ来る生(性)への欲…。
70歳のアラーキーが表現する「エロス(生)」と「タナトス(死)」とは!?
とある。

まあ、確かにそんな印象を受けた。
白黒大判の白人女性の写真。
愛猫チロの痩せこけて、そして死に至る写真。
有名・無名、美醜にこだわらない様々な裸体と緊縛写真。
車窓からと思しき普通の生活の風景。
そして日々刻々と変わる空の写真。

命あるもの・命なきもの。光は等しく影を作る。
自由なもの・不自由なもの。空は誰にも縛ることはできない。
光と影、地面と空。広くも狭くも思える中で
「エロス(生)とタナトス(死)」の営みがあるのだなあ、と感じた。
そして人は少なくとも、生きていかなければならない。