花鳥風月記

流れる水に文字を書く

TOKYO TRIBE

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豊洲のユナイテッドシネマにて。

園子温の映画は結構見ている。
小さい会場があてがわれていたが、
公開初日もあって、7割くらいの埋まり具合だった。

これも原作があるようだが、それは知らずに観た。
あまり観る必要性もあるとは思えなかった…。
ヒミズ」の時は、映画を観てから原作を読んだ。
真逆のラストであっても、映画自体は完成度が高かったので、
何の問題も感じなかった。
だから今回は、原作はあまり関係ないだろう。

触れ込みは「世界初のバトル・ラップ・ミュージカル」だった。
本編中、ずっとそのラップ系の音楽が大音量・重低音が響き、
それに園子温の例のあの毒々しい映像が流れ、
多少、気分が悪くなり、吐き気も感じた。

世代的にラップはついていけない。
せいぜいドラゴン・アッシュの最初の方を聴きかじった程度。
今回観て思ったのは、多少の上手い・下手はあっても、
普通のミュージカルで問われるような巧拙は問われないのだな、と。
そういう意味では、だれでも参加しやすいということが言えるだろう。

配役も多種多様なタレントが出ていた。
著書「非道に生きる」を読んだが、
園子温にも、人やおカネが集まってきているのだな、と。
これから売り出しをするタレントやちょっと曲がり角のタレントなど、
じつに巧妙な使い方をしているなあ、と。
あ、竹内力が肥えすぎて、曙太郎に見えた(笑)。

ストーリー自体は、ない。強いて言うなら「愚連隊の抗争」(古い言い方)で、
昔、井筒和幸が作った「ガキ帝国」みたいな感じだった。
「糞映画」(これしか言いようがない)だった。人には絶対に薦めないだろう。
それが園子温映画の良い所だと思う。