花鳥風月記

流れる水に文字を書く

愚短想(3) ライオネル・リッチーについてのありったけのこと

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西原理恵子の4コマ漫画で「青春コンビニ」というものがあった。
ガクトなりきり青年にくっつく女の子をみて、若かりし自分を思い出し
羞恥の極致となり、結局何を買いに行ったか忘れた、という内容。
その当時の彼氏の印象が、「髪型をライオネル・リッチーみたいにしてそれがまた良くて…」
といったイラストが挿入されている。
西原の漫画には時々「ライオネルリチ夫」が出てくるが、これは西原のオリジナルかと思ったら、
昔、とんねるず石橋貴明がギャグのキャラクターでやっていたらしい。
ライオネル・リッチーについては、ご存知の方も多いかもしれないが、
当時マイケル・ジャクソンと並ぶ洋楽のスター的存在だった。

今思うと、とっても恥ずかしいことなのだが、当時中学生で、初めて自分で服を選んで買うとき、
一緒にいた姉に「どんなカッコをしたいの」ときかれ、なぜか「ライオネル・リッチー」と答えた。
今でも時々思い出しては、恥ずかしくてじわじわ込み上げる笑いに耐えられない時があるのだが、
当時なぜそんな答えをしたのか本当に分からない。ただ、マイケル・ジャクソンと言えば無理があるし、
ライオネル・リッチーなら「ゴツイ顔でもさわやかです」なので許されるのでは、と思ったのかも
しれない。姉は「そうか、ライオネル・リッチーね」といって、白い綿パンとブルゾンを持ってきた。
これも最近姉に話したら、大笑いをして「その時笑ってなかった」ときいたが、この経緯を
話すとさらに大笑いしていた。

ライオネル・リッチーについて話を戻すと、「CAN'T SLOW DOWN」が大ヒットし、
USA for AFRICA の「WE ARE THE WORLD」の作曲もしていたが、
一部から「ポップスすぎる」「作曲の才能がない」という酷評も言われ、一時期停滞。
後に「SAY YOU SAY ME」で復活した。
当時はMTVなど映像に力の入っている時期なので、過剰なビデオ制作が今見ると滑稽に映る。
バラードの「HELLOW」は、ひたすら眼の見えない女子学生を遠くで見つめている、という
今でいうストーカーぽい展開で、最後にその彼女がつくったライオネル・リッチー
粘土像が2人をつなぎ合わせるのだが、その像があまりにリアルで今見ると笑ってしまう。

恐らく最大のヒット曲だった「オールナイトロング」は後に空耳アワー
「田んぼに行って捨ててこいや YEAH 田んぼ 田んぼ」という内容で出ていた。
いま調べたら、それが1992年12月に放映された、とのこと。実に15年も自分の頭の中に
残っている。やはりライオネル・リッチーはタダモノではない。