花鳥風月記

流れる水に文字を書く

おくりびと

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銀座の丸の内プカデリーにて。
オーケストラのチェロ奏者が一転、納棺師になってゆく運命を
コミカルにかつ感動的に描いた映画。

チェロにしても、納棺師にしても、決して主役ではない「脇役」でありながら、
鮮やかな仕事には、見守るものに安心と感動を与える。
主人公は、納棺師という偏見や、そして自らの生い立ちに影を落とす父との葛藤を
抱え込んでいる。

死と隣り合わせの仕事であればこそ、生きること(映画では食べることでもあった)に
執着心をもって描いていたように見える。

人の死には、様々な運命がある。このストーリーの中には、
自然な流れとしてそれがあった。

劇中の中で流れるチェロの野太い低音域が、映画にアクセントを添えていた。
良い映画だと思った。