花鳥風月記

流れる水に文字を書く

福岡アジア美術トリエンナーレ2009

イメージ 1

イメージ 2

福岡アジア美術館にて。3年に1度行われ、第4回とのこと。
博多は、東京よりもアジア圏に距離が近いとあって、
今回の美術展は、アジアのアーチストに焦点を当てた展示だった。
現代芸術が持つ、様々な政治的なメッセージを
「芸術」という手段でいかんなく発揮していた。

現代芸術とあって、映像を含めたインスタレーションが多く感じた。
ポース&ラオのインスタレーションは、インドのバンガロール出身とあって、
コンピューターを活かしたものだった。
入った人間の姿を消すものだった。

また、スポード・グプタという人の
回る多宝塔のようなものは、回る機械は、
回転寿司のものを使っているとのこと。
良く見ると、ユニットが、(⇒(⇒( (分かるかな?)と動き、
方向が回転寿司とは逆なのではないかと思った。
今度回転寿司へ行ったら、見てみよう。

学校の校外学習として来ている生徒もいて、
引率の先生の説明を一緒に聞くと、結構参考になる。
ヤスミン・コビール&ロニ・アフメッドの
「葬儀」というインスタレーションは、
バングラディッシュチッタゴンというところで、
大型タンカーの解体を人間の手作業で行っているとのことで、
有毒物質が流れる中、素手・裸足で作業を行っている労働者を
ひたすら流し続ける。会場には、そこで出てきた廃棄物を展示し、
映像を流す箱には、船舶で使われる死体袋を張り巡らせている。
そのインスタレーション自体がやがてくる「死」というものに対し、
あらゆるものにレクイエムを送っているように思えた。

普段何気ないものや、生活の音から芸術に昇華させる試みがいくつも感じられた。
ああ、そうか。こんなところにもアートなんだなあ、と感じたひとときだった。